家造りコンサルタント Toolbox

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「繰り上げ返済の金額設定と時期について」の質問と答え

こんな質問を受けました。

質問1---------------------------------------------------------------------------------------

40代独身女性(年収600万円 社内積立貯金1,200万円)、70代両親(無職 年金収入のみ 貯蓄1,000万円)と同居しています。

2013年2月に私の名義で新築マンションを購入し、不動産会社の提携銀行ローンで、20年変動金利0.775%、2,000万円借りています。

2013年4月に父親名義の土地売却により1,200万円の現金が入ったので、繰り上げ返済を考えていますが、

住宅ローン控除との関連も含めて返済金額と時期のアドバイスをいただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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回答1---------------------------------------------------------------------------------------

初めまして、Toolboxといいます。
文面から読み取れる内容から判断すれば、すぐに思いつく方法は。。。

1.全額繰り上げ返済に充てる。
ご自身の貯蓄が1200万円ありますので、全額繰り上げ返済をしてしまうという考え方。
住宅ローン控除が重要と考えるほど借入金はありませんので、金利を払い続ける事を考
えればお得なのではないでしょうか?
その時に、金利を変動のままにするのか固定に切り替えるのか、という問題があります。

その1
少々の危険を冒してでも、変動金利のままにしておき、変動金利が上昇の気配(上がる前)を見せたら、すぐに再度ご自身の
貯蓄を取り崩し繰り上げ返済をし、その時に固定金利に切り替える、という方法。

その2
1200万円を繰上げ返済した時に、固定金利に変えてしまう方法。

その3
1200万円をそのまま貯蓄に回し、住宅ローンは変動のまま。変動金利が上がり始めたら繰上げ返済する方法。

その4
返済期間は20年という事ですが、残りの返済期間はどの程度でしょうか?定年が65歳まで延長されましたが、基本的に60歳までに確実に返済する事をお勧めします。60歳以降給与は下がると考えてください。それを前提に考え、返済を考えます。

現在、固定金利も低く2%以下ですから、60歳までに確実に無理なく返せる程度に繰上げ返済をするという方法がいいと考えます。
ボーナス返済なしで毎月均等に返済し、それでも無理のない範囲、かつ60歳までに返済できる、固定金利ローンにしておけば、将来安心ではないでしょうか?

すべて繰上げ返済をしても、なおさんご自身にはさほどの問題はないと思いますが、ご両親が今後さらに高齢化してくなかで、様々な場面(介護や病気など)でお金の必要な場面も出てくるかもしれません。その時のために上記条件を満たす繰上げ返済をし、残りを貯蓄しておくのがいい方法と考えます。

今後の経済状況もなかなか方向が見えませんので、貯蓄も現金だけでなく、金など安全資産を多めに、外債など分散してお持ちください。

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質問2---------------------------------------------------------------------------------------

おっしゃる通り、両親と共に、私自身も歳を取るに連れてまとまった現金が必要になる事もあると思いますので、今回は600万円を繰り上げ返済に充て、残りは貯蓄に回そうと考えています。金利上昇局面に(前もって)貯蓄を取り崩して再度繰り上げ返済して、固定金利に変更しようと思います。期間短縮の繰り上げ返済をしますので、60歳までには返済が終わります。
確認ですが、繰り上げ返済をして返済期間が10年を切ると、住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなりますが、私の借入額では金利を払う事を思えば、できる範囲で繰り上げ返済する方が良いという理解で間違いないでしょうか?

貯蓄を金や外貨でもという考えはありませんでしたが、リスク分散の為に是非取り入れてみます。

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回答2---------------------------------------------------------------------------------------

住宅ローン減税ですが、減税に「8%(2015年10月からは10%)の消費税が適用されるケースに限る」と“ただし書き”が付いています。消費税が5%だったり非課税のケースでは、最大控除額は現行と同じ200万円止まりです。消費税は原則として引き渡し時点の税率が適用されますが、住宅については工事請負契約のように建物が未完成の場合、半年前の2013年9月末までに契約すると引き渡しが2014年4月以降でも5%のままという経過措置があります。

よって、既にお住まいになっているようであれば、今回の減税の恩恵を受けることはないと思います。もちろん、いまでも現行の住宅ローン減税は行われていますので、減税されていない訳ではありません。

1200万円が生前贈与などの手続きを経て、税務的に解決されていればいいのですが、まだであればその対策が先になると思います。

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