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ワンルームマンションについて

 

日経新聞 10月8日朝刊 総合・経済:ワンルームマンションの需要増で値上がりも

>晩婚化や高齢化を背景にワンルームマンションの
>需要は伸びる公算が大きい。国立社会保障・人口問題
>研究所の試算では2010年に全体の31%だった単身者
>世帯の比率は30年に37%に高まる。供給の減少で
>価格や賃料が上昇したり、中古物件の質が落ちたり
>すれば、若者らが都心に住みにくくなる恐れも膨らむ。

>ファミリー向け(70平方メートル程度)物件の中古
>価格が11年から下落基調を示すのに対し、中古ワン
>ルーム(30平方メートル未満)は10年から2年連続
>して値上がりした。

ファミリー向けの価格が下落していき、ワンルームが上昇していくのであれば、いずれは需給調整が起こり、ワンルームの価格は下がるはずである。ワンルームマンションを否定するものではないが、だれがワンルームマンションに入るのか?
わざわざ狭いワンルームを選ぶ人は少ないと思うが、潤沢に資金がある単身の若者、高齢者は少ない。

>不動産関係者は「デベロッパーや投資ファンドが中古
>ワンルームを『希少性が高く需要が見込める』として?>購入を始めた」と明かす。

基本的に将来にわたり少子高齢化が進むのであれば、いま作り続けている戸建てやファミリーマンションは供給過剰になっていくはずである。今までに建てられた中古のマンションまで含めれば

データは少々古いが傾向は変わっていないので紹介する。「平成20年10月1日現在における我が国の総住宅数は5,759万戸,総世帯数は4,997万世帯となっており、総住宅数が総世帯数を約760万戸」上回っている。

デベやファンドが何を考えようが勝手であるが、いまだけ都市部限定で需要があるように見えるワンルームマンションに対し、一般個人が投資をするのは非常に危険である。ましてやローンを組んでまでの投資はあり得ない。
いまワンルームが足らないのであれば、そのまま供給不足にして置くべきである。供給過剰になっている2DK程度の価格は下がってくるはずで。ワンルームと2DKの価格が近づいてくればワンルームの価格の下落は避けられない。

 

 

日経新聞 10月8日朝刊 総合・経済:新築ワンルーム急減  自治体が規制強化 ローン減税対象外

>ワンルームマンションの新築が減少している。
>床面積20平方メートル以下の着工戸数は2011年、
>直近のピークである06年の3分の1まで縮小した。
>「住環境の改善」を理由とした自治体の建設規制や、
>住宅ローン減税などの優遇を受けにくい事情が背景だ

>一方で単身者は増える見通しが強く、供給が細ると
>値上がりする可能性もある。

単身の若者、高齢者が自分の収入で入れる場所がワンルームマンションという事だけであると思われる。そうあればワンルームマンションを自分の為に買うの か?という疑問が残る。ましてや所得の低い若者や高齢者が長期にわたって支払う事になる住宅ローンを組んでワンルームを買うだろうか?

ワンルームマンションを購入するのは、自分の資金に余裕があるからこそ投資向けに使うのであって、 自分の為に買わない個人に対して優遇税制は必要がないはずである。

この事にこの記事は気がついていない。

さらにワンルームマンションの供給が増えなければ、いま余っている中古マンションの活用が始まり、古いマンションオーナーにとっていい事だし、空家だらけの建物がへれば都市のスラム化をも防げる。建設業者にとっても改修工事、耐震化工事などの増加が見込まれる。
さらにいま出来上がっているたてものを、優良な賃貸住宅として行くことによって、既に出来上がっている社会資本が再利用されて行けば、若者、高齢者の負担を軽くでき広い住まいに済む事ができる。なおかつ余った資金は個人消費に向かうはずである。

いまは住宅取得があまりに個人消費にあたえる影響が大きい。日本の住宅ローンの最終的な責任は個人にある。よって収入が減ったり、社会情勢が変わり急激な 高金利となって支払えなくなってしまえば、個人は住宅を手放しても借金が残っていれば個人が最後まで責任をもって返済しなければならない。
アメリカのようにノンリコースローンであれば、住宅を手放せばローンも消える仕組みであれば、日本のようにマイナスからの再出発ではなく、ゼロから再出発であれば個人の再生の可能性は高まるはずである。

 

 

日経新聞 10月8日朝刊 新興・中小企業:社員寮や賃貸マンションをシェアハウスに活用

>複数の居住者でキッチンなどを共用するシェアハウスの
>運営会社が、老朽マンションや企業が手放した社員寮を
>利用して供給戸数を拡大する。

>入居者間の交流や人脈づくりに関心を持つ20?30代の
>単身者を取り込む。

これは今までの賃貸マンションの新しい活用の方法で、ただ単にワンルームマンションが足らないからといって、ワンルームマンションを作るのではなく、既存の建物の新しい活用である。
単身の若者や高齢者にとって、ワンルームだけでない、住宅についての解決さくであり、より健全な解決策の一つだと思われる。

今はは所有の時代ではなくシェアの時代への過渡期でるともいえる。今までが豊かさの象徴として、様々な所有を行ってきた人達がネット社会が進み浸透し、社 会問題、エネルギー問題、資源問題が未来を覆って見えない今、何かを模索して変化しているようにも見える。もちろんすべてが「シェア」になる訳でなく、 「シェア」と「所有」のバランスをとりながら、個人所有を追い求めてきた過去のコストを、これからはもっと低コストと周囲とのつながりの中から満足感を得 ていく試みである。シェアによるコスト減から産まれる余裕でさらに多くの「所有」や「シェア」、「つながり」を得て行く為に使われていくと思われる。